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●討論−はたの昭彦議員(2025年9月25日)
◎はたの昭彦 議員 ただいま議題となりました第92号議案 令和7年度足立区一般会計補正予算(第6号)、第93号議案 令和7年度足立区介護保険特別会計補正予算(第1号)について、日本共産党足立区議団を代表して反対の立場を表明し、一括して討論を行います。
第92号議案、一般会計補正予算は、決算が確定したことにより生じた決算剰余金125億円のうち63億円は財政調整基金に積み立て、残りの62億円のうち当初予算に措置されている35億円を除く26億円余が繰越金として歳入されました。
令和6年度末の基金総額は、当初予算編成時は1,474億円になると言っていました。2月の総務委員会の最終補正予算の審議時は1,764億円の見込みと言っていましたが、我が党議員が「これから生まれる決算剰余金等は見込まれていないので、更に増えていく」と指摘したとおり、1,817億円となりました。令和5年度の過去最高額の1,857億円に比べ40億円のマイナスですが、過去最高額に匹敵する金額は、引き続き全国トップクラスであり、継続をしている物価高騰から区民のくらしを応援する財源は十分あることが明らかになりました。
本補正予算には、我が党が求めてきた「バスを活用しての日暮里・舎人ライナーの混雑緩和策」「地下鉄8号線整備促進大会の区内での再開」や「災害用リクライニング付折り畳みベッドの購入」「災害備蓄品購入補助の拡充」や、「八潮市での陥没事故を受け、事前防災としての水路点検調査委託費」など災害対策の充実、「教育費保護者負担の軽減」など、大いに賛成できるものもありますが、問題もあります。
第1に、物価高騰対策としての「プレミアム商品券(PayPay商品券)」の拡充です。当初の20%の還元率を30%に、購入限度を1人5セットから10セットに、発行セット数も80万から100万セットに、いずれも増やすとしています。
区は、私が代表質問で物価高騰対策として「お米券」の全世帯への配布を求めたのに対し、「お米券の配布は考えていないが、区民への生活支援は必要と判断し、プレミアム商品券の拡充などの経費を補正提案した」と答えました。
しかし「PayPayプレミアム商品券事業」は購入を足立区民に限定するために、マイナンバーカードあるいは運転免許証での本人確認が必要です。これではスマホを持っていて、しかもマイナンバーカード又は運転免許証を持っている一部の人で、更に事前に購入されるための資金を準備できる限られた区民しか利用できません。
今回の補正予算で10万人の利用を対象と言いますが、これはPayPayの利用者がほぼ全員が上限額まで利用することを想定しており、多額の不用額が出かねません。また、小売店側もPayPayに支払う5%の手数料を負担しなければなりません。
この事業には、国の物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金が活用されていますが、同じ交付金を使い、台東区では全世帯を対象とした「お米券」の配布を、荒川区では全ての高齢者が1,000円でシルバーパスを買える事業に充てていることに比べても、最初から利用を諦める人が大多数となる不公平極まりない「物価高騰対策」と言わざるを得ません。区民からは「PayPayと癒着しているのではないか」との声が出る始末です。
第2に、デジタルサイネージ修繕費用はブラックサークルが発生した液晶ディスプレイを交換するための費用ですが、発生原因として「屋外等の設置環境によりガラス面及び内部の液晶が高温になってダメージが進行するもの」としており、そもそもデジタルサイネージが直射日光を受ける屋外設置に適していないことの表れです。
しかも、液晶画面の耐用年数は5年、躯体は10年としており、事業を続けるには5年後に全てのデジタルサイネージを更新する必要があります。
令和2年の設置時には、1台当たり3,100万円、9台で総額2億8,000万円掛かりました。年間維持費は151万9,000円なので、10年で1,500万円、液晶画面は15面あるので、全ての交換費用の合計は2,100万円余で、10年間の総額は3億1,600万円に上ります。
この事業は「帰宅困難者のための対策」で駅前滞留者対策ではないために設置箇所も「大量に歩いて帰宅した東日本大震災の経験」から主要幹線道路付近、すなわち北千住駅付近、綾瀬・北綾瀬駅付近、日光街道沿いに限っています。
設置当初と異なり、現在は震災時は「帰宅しないで職場にとどまる」ことを推奨しているのに、駅前滞留者でなく、帰宅困難者のために多額の税を投入することは矛盾しています。我が党は、費用対効果の面からも当初から設置には反対し、効果面での検証も求めてきました。
帰宅困難者対策では、防災アプリから情報を得ることもできますし、他の防災情報もA−メールやスマホから得られることを考えると、改めて必要性やあり方を検証するべきです。
また、債務負担行為に自動運転バス実証実験バス実験ルート検討業務負担金860万円が計上されていますが、本会議質問でも指摘したように、現時点では自動運転バスの有料運行も完全無人化も制度上できず、区が言う運転士不足解消にはなりません。
しかも、区民の切実な声から取り組まれている花畑地区、千住常東地区などの地域内交通導入サポート制度は、実証実験時の支援の上限にこだわり、「毎日運行してほしい」「台数を増やしてほしい」との要望に対し、予算の範囲内、範囲内でと拒んでいます。
補正予算で増額すべきなのは、地域内交通サポート制度です。今困っている区民の願いに向き合っているとは言えない本補正予算は到底認めることができません。
第93号議案、介護保険特別会計は、令和6年度決算が確定したことで生じた11億円余の剰余金のうち、国に4,700万円余、都に3,000万円余、一般会計に4億8,000万円余を戻し、6億1,000万円余を給付準備基金に積み立てるものです。
第9期介護保険計画では、基準額以下の収入世帯は保険料が引き下げられましたが、それ以外は大幅な引上げになりました。11億円余の剰余金が発生したことを考えれば、基準額以上の保険料負担をもっと抑えられたはずです。
毎回申し上げているとおり、区民との約束である「区民が払う保険料総額と同額を公費で介護保険会計に歳入」を崩し、保険料を高く設定し、お金を余らせて区の負担分を一般会計に戻すやり方は改めるべきです。
仮に一般会計に戻したとしても、その分を介護保障や高齢者の生きがいに活用し、補正予算化することもできるのに、そういった姿勢が全くないことは重大な問題であり、認めるわけにはいきません。
今後も物価が上がる傾向が続くことは誰の目にも明らかであり、更にくらしの困窮が広がることが予想されます。改めて区民に寄り添い、くらしを守る最大限の施策構築を求め、討論といたします。