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●討論−ぬかが和子議員(2025年10月20日)
◎ぬかが和子 議員 ただいま議題となりました第99号議案 足立区千住大川端地区再開発地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例について、日本共産党足立区議団を代表して討論を行います。
地区計画の区域内における建築物制限条例は、通常良好な住環境の形成のために制限を加えるものであり、ほとんど反対したことがありません。
しかし、本条例案は、4つのタワーマンションを建てる事業者の言いなりに、事実上規制を緩和するために、一部条例改正と言いながら大幅改正するものであり、賛成するわけにはまいりません。
本条例は、平成6年に制定されました大規模工場跡地を住市総事業で開発をするために、当該地区計画の区域の一部に対し制限を加える目的で制定され、このエリアは現在1棟のマンションと取付け道路が造られています。建築物の制限だけでなく、高さの最高限度制限については、「当時の日に3時間以上、日陰となる部分を生じさせない」と日影規制をすることで、当該地域では14階建て、41mの建物になっています。
しかし、本議案では、同じ地区計画区域内であっても、これから建築する地域については、この上限を取り払ってしまいました。そのため、38階建て、35階建て、34階建て、29階建ての4本のタワーマンションが建てられるようになりました。条例案で新たに設ける高さ制限は、123m、140m、104m、127mと地区ごとに指定しています。
付託された建設委員会で、私が「この高さ制限はどうやって決めたのか」と質問すると、「最初は、提案書に基づいている」と答弁。再度質問しますと、初めて「各デベロッパー、権利者の企画提案書に基づいている」と答弁。要は、デベロッパーが、この高さでやりたいという提案どおりに条例で指定してあげることが明らかになりました。
改正前の制限のままであれば、タワーマンションの林立はあり得ませんでした。
本来まちづくりにおける自治体の役割は、制限を掛け、誘導することで、良好な住環境を形成することにあります。
区長は、我が党の代表質問に、「民間の土地なので民間の皆様方が判断された」と答弁されていますが、民間の敷地であっても権限は自治体にあり、実際に統一した一定の高さ制限に誘導して、良好な住環境を形成している例はたくさんあります。
この間、住民説明会でも、「こんなに高い建物にしないでほしい」の声が圧倒的多数でした。都市計画変更に基づく住民の意見書でも、「建物は超高層ありきで、超高層による不安をほとんどの人が発言しているのに、まともな回答はない」と怒りが表れた声が複数寄せられました。
この声を全く無視し、高さもばらばらのタワーマンションを事業者言いなりに建てるために条例を変えてあげることは絶対に認められません。
また、区は、この間タワーマンションを建てるメリットとして、垂直避難ができるようになると住民に説明をしていました。しかし、実際には34階建てのタワーマンションの垂直避難場所は2階の1店舗分だけで、面積は1教室分にすぎず、避難できる人員は僅か45名です。
これでは、区が示した4棟で500人の垂直避難などできないではないかと委員会で迫ると、別棟の大型店舗で避難できるようにする旨の答弁をしましたが、この店舗も2階建てです。
結局、タワーマンションをあえて建てさせてあげる道理は何1つないではありませんか。
更に、6,000人の人口増に応じた学校・学童保育などの公共インフラの点でも、区のその場限りの姿勢は大きな問題です。
千住エリアは、最も早く学校統廃合を進めておきながら、同時期に大規模工場跡地に住宅、マンションを増やす住市総事業を導入し、その結果、人口が増えたら教室が足りなくなる事態を招きました。
そしてその結果、千寿第八小学校では最大で8教室が不足し、その場合は少人数教室も潰し、併設されている保育園や学童保育室までも潰すといいます。
31年前、本条例を制定する際、我が党は、「大規模開発中心の誘導策がかなり含まれている、区内で住居、住宅に困窮している世帯に対して、救済策になるような開発ではなくて、高家賃のものに傾いていっている、」「今求められるのは、区民が本当に入れるような使いやすい住宅であり、この地区計画そのものが大型開発主導のものだと考えざるを得ない」と指摘しましたが、そのとおりの結果になっています。
住民からの意見書には、真剣にまちづくりの発展を願い、提案した声がたくさんありました。「希望に満ちた未来都市の誕生を楽しみにしている」という方は、「6,000名のマンモス住民を各階の箱型住居に詰め込むだけでは窒息状態に陥ってしまう。」「住民は、とりわけ千住で残された数少ない土地を高度利用で、ほとんど民間の事業者任せの超高層マンションにしてしまうのを望んでいない。真摯に住民と向き合って」と強く求め、日影規制の違法性に疑義を示し、「住民置き去りで企業の利益優先の計画だと痛感した。デベロッパーの商業主義的なイメージの払拭、未来としての夢と希望が持てる計画に」と求めています。
ほかの方からは、「子どもの声を聴いて具現化した遊び場に」など、未来を描く提案を具体的にされていました。
これらの声を受け止め、住民の声が生きるまちづくりを進める姿勢へと切り替えることを強く求め、討論を終わります。