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イラン戦争による物価高騰・資材不足等から区民のくらしと営業をまもる緊急提案 < HOME
足立区長 近藤やよい様
日本共産党区議団は「ホルムズ海峡閉鎖への緊急影響調査」を区内医療機関や建設業をはじめとする事業者に行いました。また5月後半から区内16万世帯に「区民アンケート」の配布を始めました。そこで浮かび上がってきたのは、かつてない深刻なくらしと営業の実態でした。生存をも脅かす状況から区民の命と生活、営業を守るため、国・都の対応待ちではなく、全国トップクラスの基金残高も活用し補正予算を編成することを強く求め、以下の通り提案します。
提案1 抜本的な予算の組み換え(補正予算)と全庁的対策を
1, 当初予算編成時(昨年末〜今年当初)は、アメリカ・イスラエルの無法なイラン攻撃にともなう原材料・エネルギー高騰や資材不足を全く想定していませんでした。東日本大震災・コロナ禍を上回るといっても過言でないフェーズの変化であり、大型開発関連事業の先送りや区民のくらし・営業をまもる立場で、抜本的な予算の組み換え(補正予算)措置を強く求めます。
2, 全庁横断のプロジェクトチームを設置すること。
3,イラン戦争による物価高騰・資材不足について、相談窓口、相談ダイヤルを設置していただきたい。とりわけ深刻な建設業をはじめとする区内中小事業者や医療機関に対しての実態調査を速やかに行うこと。
提案2 イラン戦争の影響から中小事業者の生業を守る対策
アメリカ・イスラエルの無法なイラン攻撃にともなう原材料・エネルギー高騰や資材不足は、長引く物価高に苦しむ中小事業者に、さらなる追い打ちをかけています。最大の対策は、一日も早い戦争の終結です。
イラン戦争に伴う原油価格の高止まり及びホルムズ海峡閉鎖による海上輸送の遅延により、建設事業者を取り巻く状況も深刻です。住宅建材・設備機器等の価格は急騰し、一部資材においては調達そのものが困難となり、納期の見通しすら立たない異常事態が生じている。多くの分野で資材の不足や出荷停止、急激な高騰などにより、各現場からは「本当に倒産しかない」「地域産業が崩壊する」と言う声が出されるなど、中小事業者にとって致命的な事業継続の危機を引き起こしています。
【公共事業と建設事業分野について】
区議団がおこなったアンケートにも建設事業者は「資材が入らず1か月も仕事ができない」「資材の入荷が見通せないので、仕事を請け負うことを躊躇している」「仕事があるのに資材が無く、仕事を断ることがある」「問屋に材料がなくホームセンター回りをしている」など切実な実態が寄せられています。このような状況が続けば多くの事業者が倒産しかねません。区としてできる対策が早急に求められます。市場任せや個別対応にとどまらず、地域経済の屋台骨である中小事業者を守る対策が急務です。
4 建設業を担当する部署を設置するとともに、相談体制を強化すること。
5 区発注の工事にどのような影響が出ているか実態をつかみ明らかにすること。また、建設資材の価格高騰や供給の実態を把握し、関係団体や事業者への情報提供を行うこと。
6 区発注工事等で、資材高騰や供給遅延の実情を踏まえ、設計・契約変更、工期延長等を柔軟に運用するとともに、契約におけるペナルティ緩和や納期の猶予をすること。また「単品スライド」等を柔軟に最大限活用し、申請書類は、煩雑な手続きを簡略化すること。
【医療・福祉分野への支援】
区内医療機関向け「ホルムズ海峡封鎖の緊急影響調査」を実施し、50の医療機関からの回答、悲鳴のような声が届いています。ホルムズ海峡の封鎖の影響はほぼ100%「ある」と回答。とりわけ深刻なのは歯科診療所でした。真っ先に回答してくれた歯科クリニックからは「業者の販売制限により、歯科診療には欠かせないキシロカインに代表される浸潤麻酔薬、グローブ、紙コップ、紙エプロン、医薬品(抗生剤・鎮痛剤)が、極度に不足し、2週間に1回納品されるかどうかである。処方薬は院内処方は中断して処方箋で出したが、薬局でもたらいまわしにあったという患者様もいた」と。そして「このような調査を行っていただきこちらこそありがとうございました」と記されていました。「麻酔薬が入手できないので診療が困難。休診を考えている」「グローブが入手困難で在庫がなくなれば休診するしかない」など、6割近い歯科診療所が「休診」「診療できなくなる」と訴える、本当に深刻な実態が浮き彫りになっています。
区民の命にもかかわる「医療」分野の支援に踏み出すとともに、公定価格により経営努力では対応できない福祉分野への支援は急務です。
7,「区がやってくれた光熱費支援はありがたかった」との声が届いていますが、今年は全く予算化されておりません。昨年度まで実施していた「介護・障害・保育」分野への物価高騰支援を、実態に見合って直ちに実施すること。医療機関に対しても同様の直接支援を行うこと。
8,足立区はグローブ10万枚、マスク3万枚を防災備蓄倉庫に、また208ある各第一次避難所には500枚程度備蓄している。コロナ禍同様に、区が把握している医療用具を今必要な医療機関などに拠出すること。
9.医療機関アンケートで特に多かった要望の実現を、国や関係機関に強く働きかけること
(1)診療報酬の臨時改定(75%が希望。6/1の報酬改定では追い付かない)
(2)控除対象外の消費税の減免(50%が希望)
【生業・事業継続への支援】
ナフサ由来の資材をメインとしない業者もホルムズ海峡封鎖による原油の高騰によって、材料や資材が仕入れのたびに値上げされています。
弁当店やパン屋からは「仕入れ元からは『次はもっと値が上がるかもしれない』と言われ、少しまとめ買いをするが、制限がある。昨年の米の高騰の時に値上げをしたら、とたんに売り上げが落ちた経験をした。今回は、食材や弁当箱、ビニール袋が急速に値上げされ、もう価格転嫁しなければ立ち行かなくなるが怖くてできない」、足立区の伝統工芸である創業100年を超える江戸熊手職人からは「大量の接着剤が必要だが、手に入らなくなった。やむを得ずメルカリで購入したら通常4000円で買えるものが12000円もした」、自動車関連事業者からは「オイル関係(エンジン・ブレーキオイル)がなくなった」などの声が届いています。他区では中東情勢を踏まえた特別な対応を次々と公表していますが、足立区での動きは大変遅いと言わざるを得ません。影響を受けている事業者全体を視野に入れた支援策を早急に講じるべきです。
10、今までの中小企業対策は「収入減・売上減」への対策が中心であり、建設業における「インフレスライド・単価スライド」のように、原材料費の高騰に対応した支援を行うこと。
11,コロナ禍同様に国が支援を行うよう、以下の項目について強く働きかけて頂きたい。
(1)コロナ禍に実施された「持続化給付金」「家賃支援給付金」のような支援策。
(2)ゼロゼロ融資の返済猶予の再長。
12,浴場・運輸など従来行ってきた支援策をただちに行うこと。
13、影響を受けている事業者に、家賃やリース料、電気・ガス代などの固定費や燃料費等への支援を行うこと。
14、今回の事態を「危機」と位置付け、融資対象の要件の抜本的緩和、既存の保証債務と切り離した別枠の保証枠の創設を関係機関とともにすすめ、「つなぎ融資」としての融資条件の緩和を実施して、事業継続できるように支援すること。
15、コロナ化同様の既往債務の返済凍結、長期据え置きの借り換え制度をはじめ、保証協会の100%保証付き新規融資など区独自の制度融資を設けること。
提案3 物価高騰の影響から、区民生活を守る対策
長引く物価高騰にイラン戦争の影響も加わり、都民生活はさらに厳しさを増しています。所得が少ない人ほどその影響は大きく、「できるところはすべて節約している。ガマンする癖がついてしまった」「食料配給して貰いたいです」「物価高が続いていても生活保護費は月2500円程度の加算のみ、1日1食冬には室温9℃以下でも暖房は付けられない(数千円の光熱費を補助して頂いても全く足りないため)」など深刻です。また地価の上昇に伴い家賃相場が上がり「足立区の今の家賃相場では結婚後は高くて住めないと思う」などの声も多く寄せられています。
【国保・後期高齢医療・住民税について】
16、国保・住民税など、コロナ禍同様の「徴収猶予の特例制度」を実施できるよう、強く働きかけること。
17,住民税の支払いが困難になった区民への「支払い猶予制度」を積極的に周知すること。国保料・住民税ともに、支払が困難な方に対し、実態に見合った柔軟な対応を行うこと。
18、コロナ禍同様に、国民健康保険料と後期高齢者医療保険料は、標準報酬月額の特例改定を行うよう、関係機関に働きかけること。
【物価高騰から暮らしを守る】
19,区は「消費喚起策」と称し、再度PAYPAY商品券を13億円かけて実施しようとしています。しかし、拡充策は区外の利用者に還元、お金が準備できる人は8万円払い10万4千円の補助など、公平に区民が利用できるものではありません。スマホがない人、使いこなせない人は、対象から外れています。すべての区民に対し、公平に生活応援事業を行うため、PAYPAY商品券の対象外になっている区民に対し現金支給をおこなうこと。
20 防災備蓄品(アルファ米など)の緊急活用を―現在福祉事務所では生活保護申請をした困窮者に対し配布を行っているが、必要とする人誰もが受け取れるように告知もして定期的に配布を行うこと。
21 物価高騰のもとでも生活できる賃金になるよう、国の重点支援地方交付金の推奨メニューになっている中小企業の賃上げ支援を行うこと。
22 区として家賃補助の実施に踏み出すこと。
23 心身障害者福祉手当、重度心身障害者手当、児童育成手当、障害者グループホームの家賃助成などの経済的支援の単価を緊急に引き上げるとともに、所得基準の引き上げや所得制限の撤廃を行うよう、関係機関に働きかけること。
【「夢をあきらめない」子どもたちへの緊急支援を】
●「生保だが…手当は収入になるから毎月最低限なのに変わりなく、高校の費用(外語コース分の学費)も自費が多くて支払い遅らせて学費工面をしています。大学行きたいと言われていますが…入学金を貯めていくことすらできないし、保護の制度には大学入学金補助はない。大学生になったら別世帯になるからと…どうしたらいいのか分からない状態で、大学諦めてもらうしかないかも?となっています。下に中学生2人いますが、そちらも美容師やフラワーデザイナーとやりたいことあるが…高校は普通科のみ→卒業後は就職。しか選択肢がないように思います。 手当きても生活費や学費で消えてしまうし...生保だから仕方ないのだろうけど子供は我慢ばかりさせて悔しく悲しいです」。
●「いろんな値上げと成長期真っ只中の子がいて夏休みが怖い」
●「発達障害があり未来飛鳥高校に行かせたいが、生保だと私立高校行けない!長期休み怖い。小学校の行事もクレカないから参加制限されちゃった」
●シングルで3人育てているが、18歳からが1番お金がかかる時に手当てが無くなること。進学させてあげられるか不安。
もともと困難をかかえる所得の多くない子育て世帯は、物価高騰で深刻な影響を受け、子どもたちの未来を閉ざしかねない状況です。緊急の対策が必要です。
24、「高校生世代応援支援金(5万円の支援)」は、非課税世帯や生活保護世帯は対象外です。対象の緩和、支援金額の拡大を緊急におこなうこと。
25、「大学生等の修学・就職活動にかかる費用の助成」を拡充し、わが党が当初予算修正を行った「生活保護世帯の大学進学を支援するための助成」をただちに行うこと。給付型奨学金を拡充し、従来の全額給付型とともに、他区のように幅広い学生が利用できる月額数万円の給付型奨学金も実施すること。
26、生活保護世帯であっても、必要性が高い場合には私立学校に行かれるよう、法外援護を行うこと。
27、夏休みの食事支援を
(1)子どもを抱える家庭の夏休みの昼食について、現在区は限られた「貧困世帯」にしか支援を行っていません。「山梨県子どもの緊急食料支援事業」のように必要な人が申請できる緊急対策を行い、対象もシングルマザーおよび住民税均等割りのみ課税世帯以下の子育て世帯に広げること。
(2)愛知県みよし市は、都内にある「こどもの貧困解消センター」公益財団法人あすのばの協力を得て、希望する全ての18歳以下の児童を対象に「給食のない夏休みに児童館・児童クラブを拠点とし、涼しい場所と食の提供」を行います(一人親・就学援助・住民税非課税世帯の18歳までの児童は無料、それ以外は1食350円。場所は児童館・学童保育・放課後こども施設)。足立区でも同様の取り組みを緊急に行っていただきたい。
【国への要請】
28、消費税を直ちに5%に減税すること。
29、住宅ローンの長期金利上昇による金利負担を軽減する措置を講じること。
提案4 熱中症から都民の命と健康を守る、暑さ対策の強化
都は、昨年度の最終補正予算で、暑さ対策をパッケージで出しました。特に、生活保護世帯や低所得世帯を対象にした、エアコン購入支援は大変喜ばれています。
しかし、生活保護世帯を対象とした補助は、エアコンがないか、故障して使用できないことが要件となっていて厳しく、「対象にならないといわれた」という声も多く聞かれます。熱中症から命と健康を守るための対策のさらなる充実が必要です。
【エアコンの対策】
30、エアコン購入費補助は、生活保護世帯を対象とした補助の要件を緩和し、2台目以降の購入等も支援の対象とすること。
31、エアコンの使用をためらうことのないよう、夏季における電気料金の助成を行うこと。
【小中学校の対策】
32、区立小中学校に対し、プールのシェード設置などの暑さ対策を行うこと。
33、熱中症対策として、各学校では水筒を持たせ児童生徒たちと水分補給を行っています。1日分の水が足りずすぐになくなってしまうという保護者からの声が寄せられています。区内の小中学校には数校しか冷水器がついていません全小中学校に設置すること。
34、学校の断熱化を加速してすすめること。遮熱カーテンは、最上階だけでなく1〜3階も緊急に設置すること。
【涼み処について】
35、昨年度「涼み処」を増やし98か所となりましたが、今年の夏はさらに猛暑日増えることが予測されています。さらに「涼み処」を増やすために福祉施設や民間事業者に働きかけていただき、地域偏在も解消すること。
36、猛暑が予想される中で、ヘルパーの移動中、また利用者宅にエアコンが設置されていない中での支援など熱中症のリスクが高くなっています。「涼み処」を積極的に活用するようヘルパー事業所に周知すること。
提案5 その他の緊急要望
【精神障害者保健福祉手帳の更新について】
2年おきに更新が必要ですが、更新するには期限が切れる3か月前からしか手続き申請ができません。しかし、実際には申請に4〜5か月かかる場合もあるため、有効期限が切れると手帳が失効し、各種支援が受けられなくなります。
37, 更新手続きを3か月前よりできるようにすること。
38、せめて、いま更新手続き中であることを証明する文書を作り、機関に出せるようにすること。
【福祉分野の看護師の確保と育成】
重症心身障がい児のケアに当たる通所施設、短期入所施設は「重度受け入れ可」とする事業所であっても看護師不足のため受け入れられない事業者があります。また、在宅レスパイト事業では、2025年の利用者アンケートの結果「利用しづらい」との結果は31.7%。その理由のトップは「利用したいときに予約が取れないため」で、断トツの78.9%でした。その中には「看護師さんを長時間拘束するのは(ためらう)よっぽど理由がないと使えない」「看護師不足だと感じる」の意見がありました。また予約が取れなかった状況への答えで一番多かった答えが「利用希望日の一か月前だったが、事業所の予定が全て埋まっていた」です。予約が取れない利用時間帯のトップは「平日の日中」69.6%です。
学校、保育園での継続看護についても、学校、園に看護師が必要ですが、専門性、看護ミスリスクの高さから、対応できずに看護師が退職、もしくは募集しても応募がない等深刻な看護師不足があります。せっかく通学、通園を継続したい子どもが強制不登校(望まないのに登校できない状態が強いられる)の状況も散見されます。
足立区では課題横断式で重症心身障がい児の看護を、園、学校、放課後など、卒業時以降の生活の場に看護を不足せず保証する体制をつくる必要性が高まっています。
福祉系の看護師は、各現場に少数配置でスキルアップをはかりにくく、報酬単価も医療系と比較して大変低い現状を早急に改善する必要があります。
39、重症心身障がい児潜在看護師や、現在小児障がい児在宅看護を志す看護師が安心して担うことができるようなプログラムが必要です。そのため「重症心身障がい児含め対応できるコミュニティナース育成プログラム」を区内関係団体と連携してつくること。
40、本人と事業者に当初と1年後に継続した場合の二回、交付金を交付する「潜在看護師人材支援事業」は、医療機関のみ対象としています。福祉現場での深刻な看護師不足の解消のため、重症心身障がい児在宅看護、訪問看護事業者や各福祉施設での従事者も対象にするよう拡充をはかること。
41、各福祉施設の看護師にたいし加算を行うこと。
2026年6月4日
日本共産党足立区議団
日本共産党足立区議団
イラン戦争による物価高騰・資材不足等から
区民のくらしと営業をまもる緊急提案
区民のくらしと営業をまもる緊急提案
日本共産党区議団は「ホルムズ海峡閉鎖への緊急影響調査」を区内医療機関や建設業をはじめとする事業者に行いました。また5月後半から区内16万世帯に「区民アンケート」の配布を始めました。そこで浮かび上がってきたのは、かつてない深刻なくらしと営業の実態でした。生存をも脅かす状況から区民の命と生活、営業を守るため、国・都の対応待ちではなく、全国トップクラスの基金残高も活用し補正予算を編成することを強く求め、以下の通り提案します。
提案1 抜本的な予算の組み換え(補正予算)と全庁的対策を
1, 当初予算編成時(昨年末〜今年当初)は、アメリカ・イスラエルの無法なイラン攻撃にともなう原材料・エネルギー高騰や資材不足を全く想定していませんでした。東日本大震災・コロナ禍を上回るといっても過言でないフェーズの変化であり、大型開発関連事業の先送りや区民のくらし・営業をまもる立場で、抜本的な予算の組み換え(補正予算)措置を強く求めます。
2, 全庁横断のプロジェクトチームを設置すること。
3,イラン戦争による物価高騰・資材不足について、相談窓口、相談ダイヤルを設置していただきたい。とりわけ深刻な建設業をはじめとする区内中小事業者や医療機関に対しての実態調査を速やかに行うこと。
提案2 イラン戦争の影響から中小事業者の生業を守る対策
アメリカ・イスラエルの無法なイラン攻撃にともなう原材料・エネルギー高騰や資材不足は、長引く物価高に苦しむ中小事業者に、さらなる追い打ちをかけています。最大の対策は、一日も早い戦争の終結です。
イラン戦争に伴う原油価格の高止まり及びホルムズ海峡閉鎖による海上輸送の遅延により、建設事業者を取り巻く状況も深刻です。住宅建材・設備機器等の価格は急騰し、一部資材においては調達そのものが困難となり、納期の見通しすら立たない異常事態が生じている。多くの分野で資材の不足や出荷停止、急激な高騰などにより、各現場からは「本当に倒産しかない」「地域産業が崩壊する」と言う声が出されるなど、中小事業者にとって致命的な事業継続の危機を引き起こしています。
【公共事業と建設事業分野について】
区議団がおこなったアンケートにも建設事業者は「資材が入らず1か月も仕事ができない」「資材の入荷が見通せないので、仕事を請け負うことを躊躇している」「仕事があるのに資材が無く、仕事を断ることがある」「問屋に材料がなくホームセンター回りをしている」など切実な実態が寄せられています。このような状況が続けば多くの事業者が倒産しかねません。区としてできる対策が早急に求められます。市場任せや個別対応にとどまらず、地域経済の屋台骨である中小事業者を守る対策が急務です。
4 建設業を担当する部署を設置するとともに、相談体制を強化すること。
5 区発注の工事にどのような影響が出ているか実態をつかみ明らかにすること。また、建設資材の価格高騰や供給の実態を把握し、関係団体や事業者への情報提供を行うこと。
6 区発注工事等で、資材高騰や供給遅延の実情を踏まえ、設計・契約変更、工期延長等を柔軟に運用するとともに、契約におけるペナルティ緩和や納期の猶予をすること。また「単品スライド」等を柔軟に最大限活用し、申請書類は、煩雑な手続きを簡略化すること。
【医療・福祉分野への支援】
区内医療機関向け「ホルムズ海峡封鎖の緊急影響調査」を実施し、50の医療機関からの回答、悲鳴のような声が届いています。ホルムズ海峡の封鎖の影響はほぼ100%「ある」と回答。とりわけ深刻なのは歯科診療所でした。真っ先に回答してくれた歯科クリニックからは「業者の販売制限により、歯科診療には欠かせないキシロカインに代表される浸潤麻酔薬、グローブ、紙コップ、紙エプロン、医薬品(抗生剤・鎮痛剤)が、極度に不足し、2週間に1回納品されるかどうかである。処方薬は院内処方は中断して処方箋で出したが、薬局でもたらいまわしにあったという患者様もいた」と。そして「このような調査を行っていただきこちらこそありがとうございました」と記されていました。「麻酔薬が入手できないので診療が困難。休診を考えている」「グローブが入手困難で在庫がなくなれば休診するしかない」など、6割近い歯科診療所が「休診」「診療できなくなる」と訴える、本当に深刻な実態が浮き彫りになっています。
区民の命にもかかわる「医療」分野の支援に踏み出すとともに、公定価格により経営努力では対応できない福祉分野への支援は急務です。
7,「区がやってくれた光熱費支援はありがたかった」との声が届いていますが、今年は全く予算化されておりません。昨年度まで実施していた「介護・障害・保育」分野への物価高騰支援を、実態に見合って直ちに実施すること。医療機関に対しても同様の直接支援を行うこと。
8,足立区はグローブ10万枚、マスク3万枚を防災備蓄倉庫に、また208ある各第一次避難所には500枚程度備蓄している。コロナ禍同様に、区が把握している医療用具を今必要な医療機関などに拠出すること。
9.医療機関アンケートで特に多かった要望の実現を、国や関係機関に強く働きかけること
(1)診療報酬の臨時改定(75%が希望。6/1の報酬改定では追い付かない)
(2)控除対象外の消費税の減免(50%が希望)
【生業・事業継続への支援】
ナフサ由来の資材をメインとしない業者もホルムズ海峡封鎖による原油の高騰によって、材料や資材が仕入れのたびに値上げされています。
弁当店やパン屋からは「仕入れ元からは『次はもっと値が上がるかもしれない』と言われ、少しまとめ買いをするが、制限がある。昨年の米の高騰の時に値上げをしたら、とたんに売り上げが落ちた経験をした。今回は、食材や弁当箱、ビニール袋が急速に値上げされ、もう価格転嫁しなければ立ち行かなくなるが怖くてできない」、足立区の伝統工芸である創業100年を超える江戸熊手職人からは「大量の接着剤が必要だが、手に入らなくなった。やむを得ずメルカリで購入したら通常4000円で買えるものが12000円もした」、自動車関連事業者からは「オイル関係(エンジン・ブレーキオイル)がなくなった」などの声が届いています。他区では中東情勢を踏まえた特別な対応を次々と公表していますが、足立区での動きは大変遅いと言わざるを得ません。影響を受けている事業者全体を視野に入れた支援策を早急に講じるべきです。
10、今までの中小企業対策は「収入減・売上減」への対策が中心であり、建設業における「インフレスライド・単価スライド」のように、原材料費の高騰に対応した支援を行うこと。
11,コロナ禍同様に国が支援を行うよう、以下の項目について強く働きかけて頂きたい。
(1)コロナ禍に実施された「持続化給付金」「家賃支援給付金」のような支援策。
(2)ゼロゼロ融資の返済猶予の再長。
12,浴場・運輸など従来行ってきた支援策をただちに行うこと。
13、影響を受けている事業者に、家賃やリース料、電気・ガス代などの固定費や燃料費等への支援を行うこと。
14、今回の事態を「危機」と位置付け、融資対象の要件の抜本的緩和、既存の保証債務と切り離した別枠の保証枠の創設を関係機関とともにすすめ、「つなぎ融資」としての融資条件の緩和を実施して、事業継続できるように支援すること。
15、コロナ化同様の既往債務の返済凍結、長期据え置きの借り換え制度をはじめ、保証協会の100%保証付き新規融資など区独自の制度融資を設けること。
提案3 物価高騰の影響から、区民生活を守る対策
長引く物価高騰にイラン戦争の影響も加わり、都民生活はさらに厳しさを増しています。所得が少ない人ほどその影響は大きく、「できるところはすべて節約している。ガマンする癖がついてしまった」「食料配給して貰いたいです」「物価高が続いていても生活保護費は月2500円程度の加算のみ、1日1食冬には室温9℃以下でも暖房は付けられない(数千円の光熱費を補助して頂いても全く足りないため)」など深刻です。また地価の上昇に伴い家賃相場が上がり「足立区の今の家賃相場では結婚後は高くて住めないと思う」などの声も多く寄せられています。
【国保・後期高齢医療・住民税について】
16、国保・住民税など、コロナ禍同様の「徴収猶予の特例制度」を実施できるよう、強く働きかけること。
17,住民税の支払いが困難になった区民への「支払い猶予制度」を積極的に周知すること。国保料・住民税ともに、支払が困難な方に対し、実態に見合った柔軟な対応を行うこと。
18、コロナ禍同様に、国民健康保険料と後期高齢者医療保険料は、標準報酬月額の特例改定を行うよう、関係機関に働きかけること。
【物価高騰から暮らしを守る】
19,区は「消費喚起策」と称し、再度PAYPAY商品券を13億円かけて実施しようとしています。しかし、拡充策は区外の利用者に還元、お金が準備できる人は8万円払い10万4千円の補助など、公平に区民が利用できるものではありません。スマホがない人、使いこなせない人は、対象から外れています。すべての区民に対し、公平に生活応援事業を行うため、PAYPAY商品券の対象外になっている区民に対し現金支給をおこなうこと。
20 防災備蓄品(アルファ米など)の緊急活用を―現在福祉事務所では生活保護申請をした困窮者に対し配布を行っているが、必要とする人誰もが受け取れるように告知もして定期的に配布を行うこと。
21 物価高騰のもとでも生活できる賃金になるよう、国の重点支援地方交付金の推奨メニューになっている中小企業の賃上げ支援を行うこと。
22 区として家賃補助の実施に踏み出すこと。
23 心身障害者福祉手当、重度心身障害者手当、児童育成手当、障害者グループホームの家賃助成などの経済的支援の単価を緊急に引き上げるとともに、所得基準の引き上げや所得制限の撤廃を行うよう、関係機関に働きかけること。
【「夢をあきらめない」子どもたちへの緊急支援を】
●「生保だが…手当は収入になるから毎月最低限なのに変わりなく、高校の費用(外語コース分の学費)も自費が多くて支払い遅らせて学費工面をしています。大学行きたいと言われていますが…入学金を貯めていくことすらできないし、保護の制度には大学入学金補助はない。大学生になったら別世帯になるからと…どうしたらいいのか分からない状態で、大学諦めてもらうしかないかも?となっています。下に中学生2人いますが、そちらも美容師やフラワーデザイナーとやりたいことあるが…高校は普通科のみ→卒業後は就職。しか選択肢がないように思います。 手当きても生活費や学費で消えてしまうし...生保だから仕方ないのだろうけど子供は我慢ばかりさせて悔しく悲しいです」。
●「いろんな値上げと成長期真っ只中の子がいて夏休みが怖い」
●「発達障害があり未来飛鳥高校に行かせたいが、生保だと私立高校行けない!長期休み怖い。小学校の行事もクレカないから参加制限されちゃった」
●シングルで3人育てているが、18歳からが1番お金がかかる時に手当てが無くなること。進学させてあげられるか不安。
もともと困難をかかえる所得の多くない子育て世帯は、物価高騰で深刻な影響を受け、子どもたちの未来を閉ざしかねない状況です。緊急の対策が必要です。
24、「高校生世代応援支援金(5万円の支援)」は、非課税世帯や生活保護世帯は対象外です。対象の緩和、支援金額の拡大を緊急におこなうこと。
25、「大学生等の修学・就職活動にかかる費用の助成」を拡充し、わが党が当初予算修正を行った「生活保護世帯の大学進学を支援するための助成」をただちに行うこと。給付型奨学金を拡充し、従来の全額給付型とともに、他区のように幅広い学生が利用できる月額数万円の給付型奨学金も実施すること。
26、生活保護世帯であっても、必要性が高い場合には私立学校に行かれるよう、法外援護を行うこと。
27、夏休みの食事支援を
(1)子どもを抱える家庭の夏休みの昼食について、現在区は限られた「貧困世帯」にしか支援を行っていません。「山梨県子どもの緊急食料支援事業」のように必要な人が申請できる緊急対策を行い、対象もシングルマザーおよび住民税均等割りのみ課税世帯以下の子育て世帯に広げること。
(2)愛知県みよし市は、都内にある「こどもの貧困解消センター」公益財団法人あすのばの協力を得て、希望する全ての18歳以下の児童を対象に「給食のない夏休みに児童館・児童クラブを拠点とし、涼しい場所と食の提供」を行います(一人親・就学援助・住民税非課税世帯の18歳までの児童は無料、それ以外は1食350円。場所は児童館・学童保育・放課後こども施設)。足立区でも同様の取り組みを緊急に行っていただきたい。
【国への要請】
28、消費税を直ちに5%に減税すること。
29、住宅ローンの長期金利上昇による金利負担を軽減する措置を講じること。
提案4 熱中症から都民の命と健康を守る、暑さ対策の強化
都は、昨年度の最終補正予算で、暑さ対策をパッケージで出しました。特に、生活保護世帯や低所得世帯を対象にした、エアコン購入支援は大変喜ばれています。
しかし、生活保護世帯を対象とした補助は、エアコンがないか、故障して使用できないことが要件となっていて厳しく、「対象にならないといわれた」という声も多く聞かれます。熱中症から命と健康を守るための対策のさらなる充実が必要です。
【エアコンの対策】
30、エアコン購入費補助は、生活保護世帯を対象とした補助の要件を緩和し、2台目以降の購入等も支援の対象とすること。
31、エアコンの使用をためらうことのないよう、夏季における電気料金の助成を行うこと。
【小中学校の対策】
32、区立小中学校に対し、プールのシェード設置などの暑さ対策を行うこと。
33、熱中症対策として、各学校では水筒を持たせ児童生徒たちと水分補給を行っています。1日分の水が足りずすぐになくなってしまうという保護者からの声が寄せられています。区内の小中学校には数校しか冷水器がついていません全小中学校に設置すること。
34、学校の断熱化を加速してすすめること。遮熱カーテンは、最上階だけでなく1〜3階も緊急に設置すること。
【涼み処について】
35、昨年度「涼み処」を増やし98か所となりましたが、今年の夏はさらに猛暑日増えることが予測されています。さらに「涼み処」を増やすために福祉施設や民間事業者に働きかけていただき、地域偏在も解消すること。
36、猛暑が予想される中で、ヘルパーの移動中、また利用者宅にエアコンが設置されていない中での支援など熱中症のリスクが高くなっています。「涼み処」を積極的に活用するようヘルパー事業所に周知すること。
提案5 その他の緊急要望
【精神障害者保健福祉手帳の更新について】
2年おきに更新が必要ですが、更新するには期限が切れる3か月前からしか手続き申請ができません。しかし、実際には申請に4〜5か月かかる場合もあるため、有効期限が切れると手帳が失効し、各種支援が受けられなくなります。
37, 更新手続きを3か月前よりできるようにすること。
38、せめて、いま更新手続き中であることを証明する文書を作り、機関に出せるようにすること。
【福祉分野の看護師の確保と育成】
重症心身障がい児のケアに当たる通所施設、短期入所施設は「重度受け入れ可」とする事業所であっても看護師不足のため受け入れられない事業者があります。また、在宅レスパイト事業では、2025年の利用者アンケートの結果「利用しづらい」との結果は31.7%。その理由のトップは「利用したいときに予約が取れないため」で、断トツの78.9%でした。その中には「看護師さんを長時間拘束するのは(ためらう)よっぽど理由がないと使えない」「看護師不足だと感じる」の意見がありました。また予約が取れなかった状況への答えで一番多かった答えが「利用希望日の一か月前だったが、事業所の予定が全て埋まっていた」です。予約が取れない利用時間帯のトップは「平日の日中」69.6%です。
学校、保育園での継続看護についても、学校、園に看護師が必要ですが、専門性、看護ミスリスクの高さから、対応できずに看護師が退職、もしくは募集しても応募がない等深刻な看護師不足があります。せっかく通学、通園を継続したい子どもが強制不登校(望まないのに登校できない状態が強いられる)の状況も散見されます。
足立区では課題横断式で重症心身障がい児の看護を、園、学校、放課後など、卒業時以降の生活の場に看護を不足せず保証する体制をつくる必要性が高まっています。
福祉系の看護師は、各現場に少数配置でスキルアップをはかりにくく、報酬単価も医療系と比較して大変低い現状を早急に改善する必要があります。
39、重症心身障がい児潜在看護師や、現在小児障がい児在宅看護を志す看護師が安心して担うことができるようなプログラムが必要です。そのため「重症心身障がい児含め対応できるコミュニティナース育成プログラム」を区内関係団体と連携してつくること。
40、本人と事業者に当初と1年後に継続した場合の二回、交付金を交付する「潜在看護師人材支援事業」は、医療機関のみ対象としています。福祉現場での深刻な看護師不足の解消のため、重症心身障がい児在宅看護、訪問看護事業者や各福祉施設での従事者も対象にするよう拡充をはかること。
41、各福祉施設の看護師にたいし加算を行うこと。
以上